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【ユリシーズ】
アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスが書いた小説。
ダブリンのとある1日(1904年6月16日)を描いたフィクション小説で、小説の中では当時の実際のダブリン街を詳細に描いており、作者自身が「たとえダブリンが滅んでも、”ユリシーズ”があれば再現できる」と語ったほどだという。
その独特の表現方法から、20世紀を代表する小説の1つとして数えられる。
◆2019.6.18
ユリシーズという小説がある。
ある…ことはずっと知っていたのだけど、実は僕は一度も読んだことがないのだった。
なぜって?この小説、めちゃくちゃ難解なのだ。
一応僕は日本語版の全5巻あるうちの最初の1巻だけ買ったことがあるのだが、最初の数ページでさじを投げてしまった。
読んだ人のブログ曰く、「暗号を解読するつもりで読んでいた。解説がないと何も理解出来ないし、翻訳者もそれをわかっているのか大量の注釈を付けてくるから注釈を読むだけで大変だった」とのこと。
本当はダブリンに来る前にはユリシーズを読んで、舞台めぐりなどをしたかったのだがしょうがない。
Wikipediaであらすじだけ確認して、その舞台を巡ることにした。
・・・あらすじだけ読むのは思ったほど苦ではなかった。
この小説の肝はその表現方法らしく、正直あらすじというほどのあらすじなんてないに等しかったのだ。
ダブリンのある1日の日常をきりとっているだけなのである。
そしてその1日というのが…1904年の6月16日!
あれ?6月16日っておとといじゃん!って思ったときにはときすでに遅し。
おとといだったら、コアなファンによるいろんなイベントがダブリン市街で開催されていたり、ユリシーズを持った人たちが街を徘徊してたりしたらしいけど、それには参加できなかった!
まあ、別にコアなファンでもないんだからいいんだけど…。
とりあえずユリシーズの舞台を巡ると、自然とダブリンの主要な場所を巡ることになるみたいなのだ。
”なるべく”時系列で巡ってみることにした。
まずは電車に乗って、郊外の「サンディコーヴ」というビーチ、ユリシーズの1日が始まる場所に向かう。
往復で6.25ユーロ(900円)。
1時間もしないんだけど。距離の割にはするなー。
電車に乗って、サンディコーヴ駅へ!
なぜか駅の近くの家にあった狛犬。
海辺を歩く。変なオブジェ。
なんか一本だけ植えられた木のところに碑がたっていた。
ユリシーズの小説の中の一節と作者の誕生日を記念して建てられたことが書いてあった。
サンディコーヴ海岸は綺麗なビーチだった。
地元の子供たちが親に連れられて遊びに来ていた。
ここがユリシーズの始まり。サンディコーヴに建つ「塔」。
今はジェームズ・ジョイス記念館になっているらしい。
入場料は無料なのに、こんな日本語のパンフを渡してくれた。
ファンがボランティアでスタッフをしているみたいで、「君、読んだことある??」って嬉しそうに訊かれたけど、「実はこれから読もうと思ってるんだ!」って正直に答えて塔に昇ることにした。
急な螺旋階段を登って、
塔の上!
海は綺麗だ。
ここはダブリン湾という湾になっているので、正面の遠くに見えるのは湾の反対側だ。
小説を再現した部屋。
作中では主人公の友人がここに住んでおり、ユリシーズは主人公(二人いるうちの一人)と友人がここで朝飯を取るというシーンから始まる。
ユリシーズの原版。
辞書みたいだ…。
こちらは日本語Ver。
英語の表現方法を日本語にうまく訳すのがめちゃくちゃ大変だったらしい。
入場料は無料だったけど、1ユーロ寄付したらけっこうしっかりしたしおりをもらった。
サンディコーブ駅からサンディマウント海岸というところに電車で移動!
ここはダブリン市街とサンディコーヴの間にあるので、帰り道に寄れる感じだ。
こっちはあまり遊んでる人がいなかった。
遠浅のビーチだ。
そしてここも作品の舞台。
一旦ダブリンに帰還。
次に行くのはトリニティ・カレッジ。
この場所は小説とは無関係なんですけど、400年以上前にエリザベス女王によってつくられたアイルランド最古の大学らしいのです。
正面玄関のドアから中に入っていく。
中。
おそらく学生より観光客ばっかり!
そしてここ最大のお目当ては、
ケルズの書(The Book of Kells)と古代図書館!
ケルズの書とは8世紀につくられた聖書の写本で、世界で最も美しい本なんて言われるもの。
図書館自体も見応えがあるんだとか。
そして入場料は…14ユーロ(2,000円弱)…。
まあですよねーって感じかな。
なんか公式HPを見ると、午後3時以降にオンライン予約をすると13ユーロに値下がりするみたいだったので、一旦ここは後回しにすることにした。
市街に出てきてご飯を食べるところを探す。
こちらが「ディヴィ・バーン」というカフェ。
ここも小説に出てきて、主人公が昼食をとったところ。
作中では赤ワインとゴルゴンゾーラ・チーズのサンドウィッチを注文したらしいけど、僕はランチセットにした。
まー普通のサンドイッチセットですけど、実はイギリス・アイルランドで食べた食事の中で一番美味しかった。
近くにあった国立図書館。
中には入れたけど、本を読むスペースは入れない&撮影禁止だった。
トリニティ・カレッジと国立図書館の付近は、様々な博物館や美術館が立ち並ぶ。
こんな科学博物館とか。
イギリス同様アイルランドも、国立の博物館は入場無料なのでちょっと寄ってみた。
ちょうど3時ころになったので、トリニティ・カレッジに戻って図書館へ!
図書館に入るとまず解説があった。
ケルズの書の裏表紙。こんな感じのデザインらしい。
本の中では、文字や単語がこんな感じの絵文字に置き換えられているらしい。
こちらが「その時/それから」みたいなのを表す絵文字。
こっちは文字が一部絵になってる。
改行のタイミングとか、スペースの空き具合で適当にこんなのを挟んでいったらしい。
実は作者は4人の共同制作で、作者によって絵感じが違うんだって。
解説のあと本物のケルズの書が見れたんだけど…なんかすごくでかい本だと勝手に思っていたんだけど、全然そんなことはなかったし。
「え?これだけ?」と言う感じで拍子抜けだった。
次は2階の図書館へ!
こっちはなかなか。
タイトル?のアルファベット順に本が並んでいるみたい。
アイルランドの象徴のハープ!
これは現存する最古のハープらしい。
図書館を出たあと、少し歩いて再度ユリシーズの舞台めぐりへ。
最後に行くのは主人公の一人の自宅の場所だ。
こちらが主人公、「ブルーム」の家!
エクルズ通りの7番と言われて必死で7の数字を探したけど、この78番の家が正しいと思う。
小説の最後のシーンはこの家で終わるのです。
今はぜんぜん関係ないクリニックになっているみたいだけど、
ってちゃんと書いてあった!
まー作品に出るすべての場所は巡れてませんけど、ある程度満足して帰路につく。
途中で見たポスト!これも緑!!
こっちはカラフルポストです。
ベースは緑だった?
最後に寄ったダブリン城。
入場料は高いので、入るのはパス!
ダブリンも雰囲気は満喫!
明日は飛行機でとうとうキューバに飛ぶ!
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