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エルサレムの土曜日 超正統派の居住区メーアー・シェアーリームへ
前日、パレスチナのベツレヘムでイスラエル軍と子どもたちの争いを見た話はコチラ↓
2018.12.15
今日はエルサレム最終日…なのに全くやることがない!
何故かというと、シャバット(ユダヤ教の休息日)でほとんどの店が休みだからです。
新市街が死んでいるようだ…。
かと言って、今日は公共交通機関もほとんど休み。
エジプトに向かうこともできない。
とりあえず、昨日おとといの日本人と合流して相談する。
(ちなみに昨日別れた後は何も問題なく帰れたよう)
新市街の近くにメーアー・シェアーリームというユダヤ教の超正統派が住む街があるというので、相談の結果そこを見に行くことに。
ちなみに超正統派というのは、真っ黒なコート、帽子、ひげを身にまとっている、ユダヤ教の中でもかなり厳格に教えを守る人たちらしい。
イスラエルの中では1割くらいが超正統派らしいが、彼らはユダヤ教を学ぶことを仕事にしており、生活費などは政府から援助してもらっている。
もちろん兵役も免除。
にもかかわらず、イスラエルという国自体を認めていないらしい。
(建国は人によるものでなく、救世主によって行われるべき。)
シャバットのメーアー・シェアリーム。
果たしてどんな雰囲気なのか。
一見さんお断りのメーアー・シェアーリーム
新市街の中心地から10分ほど歩いて、メーアー・シェアリームに到着。
人通りはほとんどないが、建物の感じや街並みは至って普通です。
たまにどこかの部屋に大勢の人が集まって談笑しているのが聞こえてきます。
おそらくシャバット限定のイベントなんでしょう。
道端にあった本棚。
おそらく宗教関連の物ばっかりだと思われる。
こうやってシェアしているのかも知れないが、雨降ったら濡れちゃうんじゃ。
少し歩くと、雰囲気が怪しいこんな通りに。
頭上のアーチにはいろんな国の言語で「居住区だから入るな!俺たちを怒らせないでくれ!」的なことが書かれてます。
流石にここは入るのを諦め、違う通りを進む。
たまに超正統派とすれ違う。
せっくなので「Hello!」と挨拶をするが、全く反応してくれない。
子供ですらたまに嫌な顔をする。
一緒にいた日本人に恥ずかしいから挨拶なんてやめろと言われるが、他人の土地に来たって挨拶くらいする権利くらいはあるはず。
懲りずに挨拶を続けるとごくたまーにかえしてくれる人がいる。
1人だけ日本語で挨拶を返してくれた人がいた。
こういうのが大事なんじゃないかと思う。
現地人のおすすめで聖なる洞窟へ 意外と人懐っこい若者たち
歩いていると超正統派でない普通の現地の人にあって少し話をした。
彼は一応ユダヤ人で、超正統派について色々教えてくれた。
やっぱり超正統派はユダヤ人の中でかなり強いグループらしく、普通のユダヤ人からはちょっと距離をおかれているみたい。
「今日って土曜で何も店やってないから暇。なんか見るとこないの?」って訊くと、「あそこにいる超正統派についていってみたら?彼らは聖なる洞窟に行くみたいだし、もしかしたら中に入れるかもよ」
もしかしたらって適当じゃん…。
でもどうせやることもないし、いろいろ相談した結果、彼のおすすめに従って超正統派のグループについていくことに。
・・・しばらく彼らを尾行する。
10分ぐらい歩くいて、彼らはイスラム人地区へ。
エルサレムの東側は、イスラエル人が統治してはいてもパレスチナ人の多く住むエリアになっています。
超正統派の彼らがシャバットの日に、イスラム人地区へ行く。
かなり奇妙な状況だ。
しばらくすると大勢のユダヤ人が集まる広場のようなところにたどり着いた。
広場にいる人のほとんどは若者で、みんなで雑談している。
広場の入り口には写真禁止、電子機器禁止という看板が掛かっている。
超正統派ではスマホやカメラなどの電子機器は完全に禁止になっているらしい。
そのためみんな今でも従来の携帯電話を使っているんだとか。
僕がその広場に近づくと若者が一気に僕の周りに群がってきた。
20人いや30人くらいはいるだろうか。
口々になにか言っているが、英語じゃない。
どうやら英語が話せる人はほとんどいないらしい。
彼らの大半は若者とは言っても中学生~20歳を越えたかどうかくらいの者が大半で、普通のユダヤ人であればだいたいそこそこの英語が話せるはずである。
聞いた話だと超正統派の教育は偏っており、英語数学などの一般的な教育よりも宗教教育を優先させているらしい。
だから英語が話せないのかも知れない。
群がっていた若者のうち、一人が「セルフィー!!」と叫んだ。
それをきっかけに群衆は二分された。
8割くらいの若者は「フォト!」「セルフィー!!」などと叫んでノリノリに乗っているが、残り2割くらいの若者は渋い顔で必死に彼らを止めようとしている。
が、結局多数派が強かったらしい。
2割の写真反対派が折れた。
今や若者たちは全員フォトコールを行っている。
もう完全に引くに引けない状態である。
先程書いたようにここは完全にカメラがご法度な場所。
だから僕もカメラをかばんに隠していたんだけど…。
もうこうなったら撮るしかない。
ノリノリな若者。
おじさんたちもノリノリに。
イスラエルについてから、超正統派のユダヤ人とはあまり絡むことがなかった。
むしろ道を聞いたり挨拶したりしても、そっけない対応をされることが多かった。
しかしここに来て初めて初めてコミュニケーションが取れた気がした。
ちなみに、彼らに写真を撮ってくれと頼んだら、シャバットだからという理由で断られました。
彼らにとっては、カメラのシャッターを押すのも仕事になるらしい。
その後、こちらの建物内に入らせてもらった。
建物内は洞窟の一部を建物で囲ったような形になっており、あちらこちらでユダヤ人が祈ったり、経典を読み上げたりしていた。
部屋から出てきた所でもう一度若者に囲まれて、いろいろふざけあっていると、集団の奥の方にいた小学生低学年くらいの子がこちらになにかを投げてきた。
投げてきたものがこちらの頭に当たって地面に落ちる。
なにかと思ってみると、ペットボトルの蓋だった。
結局どんな集団であっても一枚岩ではないらしい。
早くずらかったほうがいいのかも知れないと思い、お暇することにした。
・・・のだが、実は祈りの建物は男性と女性で部屋が別れている。
僕と一緒に行った女性は女性の部屋に入ったまま一向に出てこない。
広場から少し離れた所で待っていたのだが待ちきれず、結局再度広場に戻ることに。
そして、若者を通して女性の部屋から彼女を呼び戻してもらう。
女性の部屋から出てきた彼女はユダヤ人の女性と一緒だった。
ユダヤ女性は英語が話せ、どうやら長話していたらしい。
広場に出てきた彼女は、イスラエルとパレスチナについて、外国人どう思うかなど色々な話を僕たちに聞かせてくれた。
話を聞いて思ったのは、予想以上にイスラムへの敵対心が強いということです。
当然彼女一人の話しか聞いていないので、ユダヤ人の総意かどうかはわかりませんが。
世界中には中が良くない国なんていっぱいある。
日本と中国やイランとアメリカなど。
でも実際にその国の人の話を訊くと、全然嫌い合っているわけじゃなかったり、嫌いだという人がいてもそこまで明確な拒絶じゃないことが多かったんですが、この女性のイスラムへの敵意はこれまでに見たことがないくらい強かった。
理由は、イスラム民族が過去に起こしたテロ事件だったり、歴史的な背景だったりするようですけど。
エルサレムという場所についても、イスラム系の民族はたくさんの土地(国)を持っているんだから、この場所くらいユダヤ人に譲るべきだと言っていた。
イスラムとは言え、その中にはいろんな国家があり民族、文化がある。
しかし、彼女は人を宗教という枠組みでしか判断していない。
この溝が埋まるのは難しいな、と思ってしまった。
ただ彼女は、ここまで足を運んで「理解しに来たくれた」僕らに対して、すごく感謝してくれた。
テレビや新聞のニュースで判断するのではなく、自分の目で知るために来てくれた外国人の存在はありがたいと。
メーアー・シェアリームの居住区にも招待したいと言われたが、それは流石に固辞した。
おそらくよく思わない人たちもいるだろう。
そろそろ広場を後にすることにした。
エルサレムのイスラム人エリアを散策
その後は少し時間が余ったので、エルサレムのイスラム人エリアでご飯を食べ、まだ行っていない旧市街周辺のスポットをまわることに。
イスラム居住区。
街の雰囲気はユダヤ人の居住区と全く違う。
活気があり、他の中東国を彷彿とさせる。
サンドイッチで軽く昼飯を済ませた後、旧市街に戻って散策。
ダビデの墓です。
ここは完全に写真不可でした。
嘆きの壁同様にキッパを被って参拝する場所です。
こちらは最後の晩餐の部屋。
イエスが捕まる直前に弟子たちと食事をした場所です。
ミフラーブ?
イスラム文字!
これって完全にモスクじゃん!
聞けば、どうやら当時の部屋は残っておらず、それがあった場所にムスリムがモスクを建ててしまったらしい。
そんなことしてるから争いが生まれるんじゃ…。
最後の審判の場所?エルサレムのゴールデンゲート
旧市街東側の谷。
聖書によると、最後の審判はここで行われるらしい。
こちらが旧市街のゴールデンゲートです。
キリスト教によると、いつか救世主がどこかからやってきて、この門からエルサレムに入ってくるらしい。
ちなみに門の前はムスリムの墓場になっているらしい。
そんなことしてるから…略
とりあえず今日で一通りエルサレム観光は完了。
明日からは一転、いよいよユーラシア大陸を脱出しエジプトを目指します。
翌日の記事はコチラ↓
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