中東の国イランで、政府公認のマッチングアプリが始動したそうです。
政府がマッチングアプリをわざわざ公認するなんて話も聞いたことがないのですが、驚くべきはその国がイランという点。イランは非常に恋愛に厳格な国なんです。
以前イランを訪れた経験も踏まえて、イランの恋愛事情について解説していきたいと思います。
政府公認のマッチングアプリHamdan その仕組みはどんなもの?
今回イランの政府が発表したアプリはHamdanと言います。
男女が出会いを見つけると言う意味では普通のマッチングアプリと同じなのですが、大きく異なります。
いくつか普通のアプリとの違いを紹介したいと思います。
違い① 登録時に心理テストが必要
これは普通のアプリでもあるものもありますよね。あのメンタリストDaigoさんが監修しているWithなんかでも心理テストがあるらしいですね。
この心理テストの結果をもとにAIがおすすめの相手を表示するらしいです。
違い② 離婚者は登録できない
普通のマッチングアプリであれば離婚者は登録できます。が、Hamdanでは離婚者は登録できません。これについてはいろいろ思うところがあるので後ほど詳しく解説しようと思います。
違い③ 専属のコンサルタントがつく
実際に男女がマッチングした際は、コンサルタントが付いてデートのセッティングをしたりするらしいです。
そして実際結婚となった場合には、結婚後4年間ずーっと結婚生活がうまくいくようにコンサルタントが面倒を見るらしいです。日本の結婚相談所にも似ていると思いますが、ここまで手厚くやるところはないような…。
違い④ 両親にもやり取りが知られる
こちらもマッチング時の話ですが、通常はその”男女”のみがチャットでやり取りをすることになると思うのですが、Hamdanの場合はマッチングした時点で”男女”とそのお互いの両親、そして上述のコンサルタントが入ったチャットルームが用意され、そこでやり取りするため、両親にもやり取りがすべて筒抜けになるらしいです。
これが日本だったらめちゃくちゃ恥ずかしくて絶対流行らないですよね。
政府がマッチングアプリを始める理由は?
公認のマッチングアプリを導入することについて、イラン政府は「出生率の低下と離婚率の上昇」を食い止めるためということを言っています。
イランの現在の出生率は1.7ほど。これは1.3の日本と比べると多く、世界ランキングでも88位と標準的な数値です。ただし、本来人口を維持するためには2.2ほどの出生率が必要です。
また減少率で見ると、ここ4年間でイランの出生率は25%も減少しており、さらなる減少が予想されます。国としても切迫した状況というわけです。
それに加えてイランは中東のイスラムの国です。近年、アメリカとは非常に関係が悪く、いつ戦争が起こってもおかしくありません。また、イスラム教シーア派のイランはスンニ派のサウジアラビアやUAE、エジプトなどとも非常に関係が悪く、軍事的な意味からも人口はなんとしても維持しなければならないのです。
また離婚率についても、現在イランでは3組に1組の夫婦が離婚していると言われています。10年前は8組に1組だったので、こちらも急激に悪化しています。
この原因は15歳以下の若い少女が強制的に結婚させられていることが原因であると言われていますが、政府としてもそういった結婚をやめさせたいのかも知れません。
アプリで結婚した場合、4年間のサポートがあるというところで離婚率を抑え込もうと思っているのでしょう。
イスラム教の国イラン マッチングアプリ以前に普通の恋愛も非常に難しい
イランはイスラム教の国です。イスラム教は非常に恋愛に厳しいことで知られています。
僕が以前イランに行ったときに現地の人に聞いた話なのですが、イランでは結婚前の男女の付き合いは基本的には違法らしいのです。
もし、お付き合いする場合は両親公認のもと、結婚前提の付き合いじゃないと許されません。
しかも、これは実際かなり厳しく取り締まられ、若い男女が夜に一緒に歩いていたりすると、警察に取り締まりを受けるらしいです。その時両親に電話をされ、両親が知らなかったりすると補導されるんだとか。
すごい厳しいですね…。
ちなみに僕がイランに行った時の話はコチラで書いています↓
イランでは同性愛が禁止? それでも実はゲイが多い
実はイランなどのイスラム教の国では同性愛が禁止されています。
当然イランでもしょっぴかれます。
ただ、実は僕がイランに行ったときには何人もゲイの人に会いました。彼らは結構堂々とゲイであることを公言していました(当然警察などはいない場面でしたが)。
僕にも「家に泊まっていけ」としつこく言ってくるような人もいましたが、流石にやめておきました。
これはデータがある話ではないのですが、サウジやイランなど、イスラムの国は意外とゲイが多いと言う話を他の友人たちからも何度か聞いたことがあります。
僕は、「抑圧されすぎて逆にそういう方向に行く人が増えているんじゃないか」と思っています。
イランは学校なども男女で別ですし、男ばっかり、女ばっかりの中で育っていくので、自然と同性に行為が向いてしまうのではないかと…。
自由主義と言う観点から行くと良いことなのですが、出生率をあげようとするならば政府にとっては問題なのかも知れません。
実はマッチングアプリの導入の目的はゲイの抑圧?
今回のアプリ導入の目的ですが、僕の中では「ゲイの抑圧」も理由のひとつなんじゃないかと思っています。
今Hamdanを導入した政府は、Hamdan以外のあらゆるマッチングアプリの使用を違法にすると宣言したのです。
これによってTinderやBumbleなど通常のアプリが禁止になったのですが、LGBTQ御用達のマッチングアプリも同じく禁止になるのです。
実はLGBTQの人たちは、それ以外の人よりも高い割合でマッチングアプリを使用しているそうなのです。確かに彼らは他の人達よりも相手を見つけるのが難しいため、マッチングアプリは助かるツールであることには間違いないと思います。
イランでも一定数のLGBTQの人たちはマッチングアプリで相手を探したりしているそうです。それを今回のアプリ導入により禁止されてしまうと、彼らの居場所は今以上になくなってしまいます。
まとめ
今回のアプリを政府が国民をコントロールするための最初の一歩だと言っている人もいます。
今回のアプリはマッチングをある程度AIがおすすめにより左右できるため、誰が誰と結婚するかを政府はAIを通してある程度左右できることになってしまいます。
イランは敬虔なイスラム教の国なので、熱心な信者を優先的にマッチングさせるなどして、より政府の望む信仰心が強い国民を増やそうとするかも知れません。
まだアプリは使用できないようですが、今後どういった方向に向かうのか目が離せません。
僕がイランに行った時の話はコチラ↓
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