今日の旅情報
これまでのルート
日本→中国→ベトナム→ラオス→タイ→ミャンマー→日本→ウズベキスタン→キルギス→カザフスタン→日本→イラン→UAE→イスラエル・パレスチナ
12ヶ国目【パレスチナ国】
首都:ラマッラー
為替:1シェケル=30.1427円
イスラエルの中にある自治地区。
主にイスラム系の民族が住む。
イスラエル西部のガザ地区と東部のヨルダン川西岸地区から構成される。
1988に独立宣言を行って以来、136カ国から国家として承認されている。
なお現時点で日本は未承認。
自身は東エルサレムを首都とみなしているが、東エルサレムを含めたヨルダン川西岸地区の大部分はイスラエルの統治下にある。
そのため国際的にはラマッラーが首都とみなされている。
※ここではパレスチナを国として扱う立場を取る。
エルサレムからイエス生誕の地、パレスチナのベツレヘムへ!
前日、エルサレムの三大宗教の聖地を巡った話はコチラ↓
2018.12.14
今日は朝から昨日の日本人と再度合流し、エルサレム南部にあるベツレヘムというところを目指します。
なんでもベツレヘムにはイエスが生まれた降誕教会という場所があるんだとか。
でも実は生誕の場所にも諸説あって、定説だとナザレというイスラエル北部にある別の街にで生まれたことになっているんだとか。
キリストがナザレのイエスと呼ばれているところからすると、そっちのほうが信憑性が高そう。
一緒の宿にいたクリスチャンはそのことでちょっと怒ってました。
「ベツレヘムなんて邪道だ!」みたいな。
ちなみに僕がベツレヘムに行く理由はそれだけではなく、ベツレヘムはパレスチナの1都市だからです。
それにエルサレムのように完全にイスラエルに統治されているわけではなく、ある程度パレスチナ人が自治している場所だということで興味があったからです。
パレスチナと言ってもよくニュースで出てくる危険地帯は西側のガザ地区という所です。
ベツレヘムは東側のヨルダン川西岸地区にあり、こちらは普通に観光客も来ていて安全な場所です。
外務省の危険地域情報でもレベル2(MAXは4)なので、全然渡航可能なんです。
直行バスでパレスチナに入国!入国チェックポイントは素通り!
エルサレム市街からベツレヘムまでは、旧市街のダマスカスゲート近くのバス停からバス1本でいけます。
がその際のバスが、直接ベツレヘムまで行けるバスと、イスラエルエリアとパレスチナエリアの国境(?)で降ろされるバスの2通りがあるんだそう。
とりあえず「どっちでもいいよね~?チェックポイントもそれはそれで見たいし…なんて話ながら適当にバスに乗ったら、どうやらダイレクトのバスに乗ってしまったよう。
30分くらいですぐにベツレヘム近くに着きました。
あれ…でもどっかで国境入らなきゃいけないはずなんだけど、いつの間に入ったんだろう?
パレスチナとイスラエルのエリアはでかい壁で分離されていて、入出国が管理されていると聞いていたんだけど。
軍人がいっぱい!ベツレヘムの街並み
ベツレヘムの街並み。
何故か子供がセグウェイを持っている。
軍事用なのか?
バスを降りた場所から10分ほど歩いて、最初の目当てであるイエスが生まれた降誕教会へ。
軍人がいっぱいいます。
パトカーの文字もアラビア語だし、パレスチナ軍の軍人だと思うけど定かじゃない…。
けっこうフレンドリーで、観光客と一緒に記念写真とかとってました。
キリストが生まれた場所、降誕教会
こちらが降誕教会。
外観。
中。
謂れからすると、イエスはこの教会内にある洞窟で生まれたらしい。
この入口がその洞窟につながってます。
あれ?イエスって馬小屋で生まれたんじゃなかったけ?と思って調べると、やっぱり馬小屋っていう説が定説らしい。
ですよねー。
キリスト教系の幼稚園に通っていて毎年のように聖誕劇をやっていた僕からすると、洞窟で生まれたなんて信じられない!
やっぱりベツレヘムなんて邪道かも知れない…。
ここが洞窟内。
この右側の所でイエスが生まれたんだとか。
ヒエロニムスの像
降誕教会に併設されている別の教会。
この人はヒエロニムスという聖書をヘブライ語(ユダヤ人の言葉)からラテン語に翻訳した人です。
足元のドクロは恋人のもの。序盤は恋人が翻訳を手伝ってくれていたらしいが、途中で亡くなってしまったらしい。
彼女亡き後は彼女のドクロをそばに置きながら翻訳を完了させたそうです。
ちなみに彼の翻訳はけっこう間違っていたらしいです。
が、まあどんな人でも誤植はあるんで仕方ないっす。
降誕教会の周りにもキリスト教系の聖地がポツポツあるので、散歩がてら周ります。
ムスリムもクリスマスムード?ベツレヘム市街
街はクリスマス一色です。
ここベツレヘムはパレスチナの統治下にありますが、人口の1割はキリスト教らしいです。
もちろん9割はイスラムで、ユダヤ人は0です。
ちなみにここでは、イスラム人にとってもクリスマスは多少盛り上がるらしい。
多分日本人と同じような感覚だと思う。
そういえば、道ゆく人が心なしか優しくてフレンドリーだ。
イスラエルのユダヤ人とは全く雰囲気が違い、中央アジアや他のイスラム系の国で感じた居心地の良さを感じ少しうれしくなる。
聖母マリアが授乳した?ミルク・グロット教会
ミルク・グロット教会。
聖母マリアがイエスにミルクを与え、その時こぼれたミルクが岩を白く染めたという。
お賽銭は主にドル。
ちなみに基本的にパレスチナではイスラエルと同じ通貨が使われていますが、ATMからは直接ドルが引き出せるんです!
この後、ATMからドルを引き出してイランで消費したドルを補給しました。
直接ドルを引き出せる国って少ないのでありがたい!
SURYOYO。
よく書かれていた落書きです。
シリアあたりに住むアッシリア人(アッシリア語)という意味らしい。
あそこらへんあたりから人が流れてきているんだろうか。
イエスの養父であるヨセフが住んでいた場所です。
探しても全然見つからなかったのですが、なんと普通のホテルの屋上にありました。
どうなっているんだ。
今は教会になっているようですが閉じていました。
マリア像と誰か。
よくわからん。
とりあえず周辺のスポットを見終わって、一段落。
このまま帰ってしまってもいいんですが、せっかくパレスチナに来たので街の雰囲気を見ておきたい。
あと、行きのバスは直接ベツレヘムに来てしまったんで、せっかくなら自分の足で国境を越えて帰りたい。
確か国境を越えたイスラエル側からバスに乗れると聞いていたので、2人でそのバスを探すことに。
バンクシーの絵が残るパレスチナ人のキャンプ
チェックポイントの場所を聞き込みしながら進んでいくと、なんとなく今までと雰囲気が違う通りに出ました。
日本で言う団地みたいな感じ。
少し寂れていて、生活感が漂う。
後から地元の人に訊くと、ここは家を追われたパレスチナ人のキャンプらしい。
今年オークションの件で有名になったバンクシーのアートっぽい。
このパレスチナにはいくつも彼の作品があるらしいんですが、それと同時に模倣者の偽物も多いらしい。
これはおそらく偽物。
この青年は2013年にイスラエル軍との衝突で殺されたパレスチナ兵士の似顔絵です。
天安門事件の青年同様、半ば神格化しているっぽい。
彼も犠牲者…?かと思いきや、彼はエナジードリンクを飲み過ぎて亡くなったらしい。
このキャンプでは人気者だったのでこうして写真が飾られているんだとか。
ここあたりを散策していると、小学生くらいの子供のグループが道で遊んでいた。
こっちに気がつくと、その中の女の子が一人こちらに走ってきてスッと手を出してきた。
握手かと思って思わず手を握り返してしまったが、よく考えたらイスラム教って異性と握手しちゃ駄目じゃん!
気づいたときにはその子はこちらに背を向けて、嬉しそうにスキップで仲間のほうに帰っていってました。
その子がどういう意図で握手をしようとしたのかはわからないけど、正直ちょっと異常だなと思ってしまった。
なんというか、少し作られたフレンドリーさを感じてしまった。
彼女が女の子らしかぬ指なしの手袋をしていたのも気になる…。
握手はしたいけど教義に従って手は触れたくない。でも完全に手袋をしてしまうのも失礼…とかね。
まあ考え過ぎかも知れないけど。
少し行った所で見た壁アート。
これはどうやらバンクシーの作品みたい。
分離の壁で事件発生 イスラエル軍と子どもたちの戦い
キャンプから少し歩くとイスラエルとパレスチナを分かつ「分離の壁」が見えてきた。
写真右側、家の間から一本隣の壁沿いの道が見える。
よく見ると数人の子供が何かを投げている。
どうやら石をイスラエル側に投げ入れている??
と思った瞬間、壁の方から「パン!パン!!」という凄まじい音がして、煙が一気に吹き出してきた。
何だ何だ?と思っていると、向こうからタクシーがすごいスピードで突っ込んできて眼の前で急停止。「攻撃だ!ここはあぶねえ!!早く逃げろ!!」だと。
よくわからないけど、わからないまま帰るわけには行かない。
その旨を伝えると、ならばただで現場まで連れてって何が起こっているか見せてやるという。
さてどうするか…。
とりあえず音は一旦止んでいる。
車通りは通常どおりにあるので非常事態ではないように思う。
だが、正直タクシーの運ちゃんは信用できない。
色々考えた上、僕の意思は自分の足でこの先を進むことに決めた。
一緒にいた日本人は、これ以上先は行けないと言っている。
正直、年下の女の子をこの状況に一人で置いていくのはどうかと思ったが、まあここまで来たら自己責任である。
明日お互い無事にもう一回会おうという約束だけして別れ、壁沿いを進むことにした。
一人になってしまった。
まあ彼女のことは心配してもしょうがないので、一旦忘れてとりあえず分離の壁沿いの道を進む。
分離の壁のアートたち
近くでみた壁には所狭しと絵が書いてある。
これはWall Museum(壁の美術館)と呼ばれていて、パレスチナの現状を外国人観光客に伝えるために現地の若者が作った作品らしい。
絵の中にいくつもこのような”投稿”が貼ってあり、パレスチナ人が以下にこの壁のせいで不自由を強いられているかが書かれていた。
パレスチナの人間は、自由にこの壁を越えてイスラエルのエリアに行くことができない。
事前にパーミッションを取得することで越境することは可能だが、パーミッションを持っていても検問所のイスラエル兵の気分次第で越境の許可が降りないことも多々あるという。
子供を病院につれていかなければならないのに、イスラエル兵は壁の向こう側へ通してくれない…など、この壁はパレスチナ人の生活を脅かすものになっている。
パレスチナで見た爆弾で飾られたクリスマスツリー
途中で会った現地の青年に色々話を聞いていると、彼が「これを見てくれよ」と言って小さなクリスマスツリーを見せてくれた。
これ、なんか飾りおかしくない?
と思ったら、これって全部発煙弾や爆弾?などの武器で作られている。
これは全部壁の向こう側からやってきたものらしい。
今日壁の周辺で起こった爆発についても彼が説明してくれました。
事の発端は2日前、詳しい理由はわからないが、イスラエル兵の攻撃によってパレスチナ人が2人殺されたらしい。
その話が子供の耳にまで届いてしまい、今日、子供がイスラエル側に石を投げた。
それに対してイスラエル軍が発煙弾などを投げてきたため、壁の周りで爆発が起こって煙が吹き出してきたらしい。
今日の犠牲者はまだわかっていないが、誰か死んだかも知れないらしい。
こういった小競り合いはたまにあるらしく、街はいつでも臨戦態勢。
ここは今でも戦場なんだと思った。
パレスチナの現状や日々の小競り合いについて話す彼の言葉はたびたび早口になって聞き取りにくい。
たまに聞き返すと焦ったように「さっき言っただろ!」と言われてしまう。
彼らは自分たちの現状を外国人にわかってもらい、外国人の世論を味方につけようと必死だ。
そう思うと、フレンドリーな街の住人、握手をしてくる女の子、Wall Museum、ひたすらパレスチナの現状を畳み掛ける青年、全てが作られたもののような気がしてしまって、なんとなく居心地の悪さを感じた。
しかしこの中に一つもウソはないんだろう。
途中からブラジル人のおばさんと合流し、ひたすら分離の壁沿いを歩いてチェックポイントを目指す。
バンクシーが経営する世界一見晴らしの悪いホテルでトイレを借りる
そうそう、バンクシーが経営する「世界一見晴らしの悪いホテル」にも行きました。
たまたまトイレを借りに行っただけなんですけどね。
なんかおしゃれでホテル内に博物館もあるし、スタッフっぽい人がみんな白人っぽくて5人くらいでミーティングっぽいことしてるし、なんかへんなホテルだったなあと思って後から調べたらバンクシーと現地人が共同で経営するホテルでした。
あの中にバンクシーがいたかも知れない…。
少しするとチェックポイントがあり、パスポートを見せると難なくイスラエル側に戻ることができました。
パレスチナからエルサレムへ戻る!そして今日はユダヤ教のシャバットの日!
今日もしばらく歩いて疲れた。
チェックポイント外ですぐにバス停を見つけ、そのままエルサレムの旧市街に戻る。
旧市街ではどの店ももう閉店作業をしていた。
ユダヤ教では金曜の夕暮れから土曜夕暮れまでは絶対に仕事をしてはいけないシャバットという呼ばれる期間になるらしい。
仕事を終えたユダヤ人は皆一様にどこかに向かう。
どこに行くか気になったので、ついていってみました
旧市街のゲートを入って行く。
みんな早足でどこか急いでいるよう。
中にはひたいに汗を浮かべながら早歩きしている人も。
集まっていたのはやはり嘆きの壁でした。
大量のユダヤ人が集まり、話したり、祈ったり、ときには輪になって踊ったりしている。
おそらく日本で言う花金的な感じだと思う。
今日もいろいろあって疲れた…。
あとはご飯を食べて早く寝よう…と思うが、
全然店がやってない。
いくつかやっていたレストランで一番安い物はカルボナーラパスタ44シュケル(1,300円くらい)。
めちゃくちゃ高いけどしょうがないかーと思って注文しようとしたら、お子様メニューですけど大丈夫ですか?って言われた…。
ちなみに大人メニューの最安は72シュケル(2,200くらい)。
そんなのもう手も足も出ません。
新市街中を歩き回り、なんとかスーパーを発見。
結局またカップラーメン×2を買ってしまった。
エジプトに行ったら野菜いっぱい食べよう‥。
明日はもう一日エルサレムにいて、その後エジプトに向けて出発します。
翌日の記事はコチラ↓
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