トロントでの仕事探し③ 3件目ついに働き始める・・・そのはずが

バックパックをパッキング カナダ
バックパックをパッキング

★3件目・・・韓国料理レストラン

ジャパレスを辞退したあとも2日ほどずっと自宅付近での履歴書配りを行っていたのだが、どうにも引っかかりが来ない。

僕が今滞在している処はダウンタウンから離れた少し郊外っぽいところ。

そう言うところだと、やっぱり見た感じ小さめの店が多い。

また、そこまで店も混雑していないので、店員も1人とか2人とかしか滞在していなかったりするところも多いし。

やっぱりそう言う店だと、ベテラン数人が店を完全にきり持っていて、付け入るスキが無いように思えた。

まあ人が足りなかったとしても、英語が十分できる一人で店を回せるような人を望むだろう。

間違ってもビザが1年もないような外国人は取らない…。

これはやっぱりダウンタウンの大型店を狙ったほうがいいと方向転換。

ネットメインで募集を探すことにした。

そこで見たのがカナダに住んでいる日本人の掲示板である「e-Maple」というサイト。

カナダに住んでいる人なら一度は必ず見たことがあるであろうくらい有名なサイトである。

ここには宿や部屋の情報から、求人、語学学校情報まで幅広い情報が投稿されている。

そのサイトで見つけたのが3つ目の仕事、韓国料理屋である。

連絡すると速攻連絡があって、その日のうちに面接となった。

面接してくれたのは同年代くらいの韓国人シェフ。

面接もさらっと終わって労働条件などの話になったのだが、

これが「e-Maple」に投稿されていたものと違いすぎた!

「e-Maple」には、日給170カナダドル(15,000円くらい)でキッチンだけどチップもつく。

また、バケーションペイ(日本で言う有給的なもの)もつく。

なんて書いてあったのだが、実際の日給は105(9,000円くらい)カナダドル

労働時間は7時間の想定だけど、何時間かかるかは作業スピード次第。

もちろん何時間かかっても日給は変わらない。

7時間で終わるのであれば、時給15ドルになって最低賃金以上ではあるけど、そうなる保証はどこにもない!

チップやバケーションペイなんてものもない!

この時点で「あ、これやばいやつだ。」と言う確信はあった。

しかしなんとか早く働き始めたかったこともあり、とりあえずその場では条件を飲んでまずは働き始めることにしたのである。

まあやってみて本当にブラックだったらまた他を探せばいいやーとか思っていた。

最後に「この条件に同意するか?」と聞かれたので、とりあえず二つ返事で「OKOK」と答え、翌々日の9/9から働き始めることになったのである。

☆1日目

11時に店に集合して面接官だった韓国人と一緒に食材の仕込みを始める。

その時わかったのだが、この店は昼はクローズしていて完全に夜だけの店らしい。

だから出てきている従業員も仕込みをしている僕ら二人のみ。

韓国人は同年代ということもあって割とフレンドリーで、二人で適当にだべりながら、野菜を切ったりなんだりという単純作業を延々とこなしていく。

まあこれなら人とも話せるし悪くないかなーと思っていたのだが、この時点で薄々気づいていた。

今はトレーニングだから二人で作業をしているが、この先仕事を覚えたら一人だれもいないレストランで延々と仕込み作業をしなくてはならないのではないか、と言う可能性に…。

作業の中でもかぼちゃを1時間ほど切り続ける作業がなかなかキツかった。

単純作業だから精神的にきついというのもあるが、単純に手の筋肉がキツイ。

まあなれなくて変なところに力が入っているんだろうけど。

今週はトレーニングということで仕事量が少ないらしく、5時間ほどで仕込みは完了。

チャーハンのまかないを食べて解散ということになった。

ちなみに仕事が終わるまでの5時間、教えてくれてた韓国人以外とはほぼ誰とも話していない。

これはやばいぞ、、、ということで、この時点でもうこの仕事はやめる気満々だった。

まあそんなこともあって、この日の僕は少し横暴になっていた。

どうせ辞めるんだから何してもいいじゃーんみたいな。あと単純作業でストレスも溜まっていたし。

そして僕は重大な問題を起こしてしまう。

まかないのチャーハンが用意されたとき、僕はその韓国人に飲み物を要求したのだ。

「のどが渇いた!ドリンクの一本くらいはほしい」と。

韓国人は「そこのラックにドリンクいっぱい入ってるから、何でも好きなの持っていっていいよ」と言ったのだ。

よっしゃ!と思いラックを漁るのだが、ソフトドリンクしか入っていない。

せっかくならビールほしいなー。

と思ったら、隣のボックスにビールが大量に入っているではないか!

この時点で周りに人はいない。

僕がいるのは他の従業員が働いているキッチンではなく、控室みたいなところ。

キッチンでは皆忙しく働いているようで、「ビールのんでいいの??」なんて聞きに行く雰囲気ではない。

でもまあ、いいでしょ!

正直あいつの言い方は紛らわしかったし。

まあバレても「ドリンクは何でも飲んでいいと思ってた!」で押し通せるな。

そう判断し躊躇せずビールを飲んだ。

冷蔵庫に入っていないのでぬるい…がないより全然いい!

そして缶は堂々とゴミ箱に捨てた。

隠してると思われるとそれはそれで色々めんどくさくなりそうだし。

バレて素直に謝るくらいがいいのではないか!どうせすぐ辞めるし!

そして飲むだけに飽き足らず、翌日は冷えたビールを飲みたいなーなんて考えてしまって、翌日分のビールを2本、隣の部屋にある食材用の冷蔵庫にストックした。

これで完璧だ!なーんて思いながら意気揚々と帰宅した。

これが予想以上の問題になるなんて全く考えずに…。

☆2日目

この日も11時に出勤して仕込みを開始。

のハズが、何やら韓国人から話があるという。

どうやら昨日のビールが速攻バレたよう。

「ソフトドリンクだけだよ!なんでビールまで飲んだんだよー!!」なんてちょっと注意された。

その時聞いたのだが、韓国人が飲んでいいと言ったソフトドリンクの中にも、飲んでいいものとだめなものがあったらしく、韓国人も自分の指示が曖昧だったことを認識しているようだった。

そんなこともあって、予想通り「あーちょっと勘違いした!」でなんとか押し通すことができた。

昨日と同じような仕込み作業を開始する。

この日の韓国人は昨日より少し横暴だった。

たまに「遅いぞ遅いぞー早くしろー」とか、煽ってくる。

ザ・飲食の体育会系と言う感じだ。

ちなみに僕はそう言う感じがめちゃくちゃ嫌いである。

手も昨日の作業で少し筋肉痛で攣りそう。

そんなに早くできない…。そんなイライラがどんどん溜まっていった。

そして韓国人のある一言にイライラが爆発してしまう。

「遅いぞー!そんなスピードでやってたら来週からのしごとは7時間じゃなくて12時間くらいかかっちゃうぞー!!それでも日給は固定で増えないんだからな!!」

だまって言われていることにここで耐えかねた僕の口からは、自然と言葉が出てしまっていた。

「いやいや、それって違法だよね?君法律ちゃんと確認したことあるの?」

そこからは言い合いが始まる。

最終的に彼いわく、自分たちは雇用されているという形じゃなくて、フリーランスで業務委託という形で働いているから、日給の賃金は普通だし、最低賃金なんて関係ないんだそうだ。

というか、カナダのバイトはみんなフリーランスだからどこ行っても同じだよ?とのこと。

いやいや!そんなわけない!

てかそれだったら最低賃金が設定されている意味ないでしょ!!

フリーランスというなら契約書をよこせと言うと、それはないという。

やばい。ここは本物のブラックだ。

ちなみにこのレストラン、オーナーはカナダ人なのだが、「本物のクソ野郎」らしい。

こいつも本気でそれを信じて騙されているのではないか…?それかこいつもすべてをわかっていて僕を食い物にしているのか…。

単純作業をしながら空いている頭の中で広がる疑念。

そもそもこいつは労働条件に嘘八百を書くような人間なのだ。

それは間違いない。

信用できない。信用できないヤツとは一緒に仕事をしたくない…。

そんなことを考えながら作業を終える。

そしてその時点でクビを言い渡されたのだった。

理由としては2つあって、まずは作業スピードが遅いから向いてないとのこと。

てかそりゃなれているそいつよりは遅かったが、素人にして、2日目で即クビにされるほど遅いとは思わないのだが…。

まあ反乱分子をクビにする体の良い言い訳だと思われる。

そしてもう一つの理由は、昨日のビールである。

「本物のクソ野郎」のカナダ人オーナーが、監視カメラをチェックして僕がビールを飲んでいる姿を直に確認してしまったらしい。

そして僕が翌日分のビールを冷蔵庫に入れようとしている姿も見てしまった。

ちなみに冷蔵庫はビールがあった部屋とは別の部屋にある。

監視カメラに映っているのは、ビールを持って部屋の外に消える僕の姿だ。

それを見たオーナーは僕がビールを盗んだと思ったらしい。

オーナーはガチギレ状態。

速攻クビにしろとのお達しだったようだ。

試用期間ということで給料は無し!

それも完全に違法だと思うのだが、、、。

僕としてはお金が0というのは超々不満だった。

そのことを韓国人に詰め寄ったら、僕の気迫に押されたのか、ポケットマネーから20ドル(1,700円くらい)を渡してよこした。

全然足りねえ…がないよりはいい。

20ドルをポケットに突っ込んで、仕方なくレストランをあとにした。

海外では簡単にクビを切られるってのは聞いていたけど、

実際クビになるとなかなか衝撃を受ける…

あんなにブラックで自分からやめようかと思ってたけど、結構ショックだった。

ていうか自分から辞めれば良かったのにね。

文句言いながらやっててクビになるとか格好悪すぎるし、正直あの韓国人にも失礼だったかもなあ。
違法だろうとなかろうと、彼はその環境で頑張ってるんだし。

でも、異国の地でやっとゲットした仕事だ。

すっぱり辞められなかったのも、しょうがないのかもしれないが。

じゃあもっとちゃんとやれという話ではあるが…。

帰宅しながら「ワーホリ 仕事 クビ」でググって同士を見つけて共感を得ようとする。

そんな話ごまんと出てくる。

真面目にやってても能力不足でクビになった人もいれば、僕みたいになめたことしてクビになった人もいる。

ただ、みんなその後には真面目に改心したり、スキルを上げたりして、なんとか次の職場では最後まで勤め上げようと頑張るのだった。

それを読んでて「もっと真摯にやらないとなー」と思った。

今までお硬い仕事をしてた分、やっぱり「所詮アルバイト」みたいな気持ちもあったりして、浮ついた気持ちで仕事してたなーと。

前の仕事と同じくらい集中して、今回仕事したかと言われると答えは「No」。

良くないな次の仕事はもう少し頑張ろう。

そう決意をして、また仕事探しの闇の中に戻るのだった。

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